映画レビュー・考察 / ネタバレあり
Netflixで観た映画が久々に頭から離れないJOBAです。。。
邦画、正直なめてた。アクション系の洋画ばかり観てたから、取調室でずっとしゃべってるだけの映画なんてテンション上がらんやろと思いながら再生したら——気づいたら2時間、完全に止まれなかった。
映画『爆弾』。2025年10月公開、今はNetflixで配信中。

映画『爆弾』公式ティザービジュアル ©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会
佐藤二朗が、怖い
まず言わせてほしい。
佐藤二朗、コミカルな人じゃないのか。。。
「LIFE!」でニヤニヤしてた人、バラエティでもどこかゆるくて面白いおじさんのイメージがあった。それが今回まったく別の生き物になっていた。

佐藤二朗演じるスズキタゴサク(取調室シーン) ©2025映画『爆弾』製作委員会
酔っぱらいとして連行された冴えない中年男・スズキタゴサク。のらりくらり、意味のわからないことをしゃべり続けながら、ニヤニヤと笑っている。最初は「頭のおかしい酔っ払いのおっさん」に見える。が、気づいたらこっちが翻弄されている。
「あ、これ笑えない人だ」と気づくのに時間はかからなかった。
不気味な笑い声も取調室での細かい仕草も、かなりの部分がアドリブから生まれたという。あの粘り気のある怖さが即興だとしたら、佐藤二朗という俳優、普段の陽気なキャラのままで済ませるには惜しすぎる。
週刊誌が一家を殺した
この映画が単純な「爆弾犯vs刑事」の話じゃないのは、背景にある石川家の話を知ってからだ。ここからネタバレ気味になる。
長谷部という警察官が、事件現場での不祥事を週刊誌にリークされ、自殺した。医師からのリークだった。それを境に家族へのマスコミ取材が日常に入り込み、娘は精神的なショックを受け、息子はネット上で個人情報を特定され誹謗中傷に晒され、母は離婚届を受け取ったまま判断できないまま夫を失った。
長谷部が何をしたかは書かない。ただ、「それを週刊誌が書く必要があったのか」という問いは、観ている間ずっと頭にあった。
証券会社で働いていると、不祥事のリスク管理の話が日常的に出てくる。内部告発、情報漏洩、報道リスク——会社の話として聞いていたそれが、この映画では一個人の家族を完全に壊す「武器」として機能していた。報道は大衆の好奇心とひとつになり、家族にもその下卑た興味が向く。
誰も止めなかった。社会が、面白がって消費した。
その結果が、東京中に仕掛けられた爆弾だ。「過激なテロリスト」の話として片付けるには、根っこが身近すぎて怖かった。
惜しかった点も正直に
面白かった。が、複数の犯人グループが関わる構造がやや複雑で、「結局誰が何をしたのか」が整理しきれないまま終わった感覚はある。スズキタゴサクの謎めいた正体は意図的に曖昧にされているが、もう少し「なぜ彼がそこまでするのか」の核心に触れてほしかった。怪演が物語を追い越してしまった部分、なきにしもあらずだ。
ただそれも含めて、興行収入約31億円のロングランヒット、第49回日本アカデミー賞での最優秀助演男優賞(佐藤二朗)——この作品が多くの人の心に「何か」を残したことは、数字が証明している。納得だ。
JOBAの総評まとめ
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次は『名無し』を劇場で観たい
佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画『名無し』が2026年5月22日に公開された。右手で触れたものを消し去るという異能を持つ男が、白昼の商店街で無差別殺人を引き起こすというサイコバイオレンス作品だ。
これ、絶対に観なければいけない気がしている。
コミカルな佐藤二朗を知っていて、スズキタゴサクで「この人は普通じゃない」と気づいて、今度は原作・脚本まで手がける『名無し』へ——この流れ、追いかけないわけにはいかない。
仕事が立て込んでいて劇場に行く時間が作れていない。。。もどかしい。配信が来る前に、なんとか時間を作りたい。それはまた別の記事で書く。
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